品詞

品詞

 

単語は、それぞれが持つ 意味・形・働き によっていくつかの種類に分けられます。それを品詞と呼びます。英語には8つの品詞があります。

1.
名詞
 人・物・事などの名前  Mike, dog, car, soundなど
2.
代名詞
 名詞の代わりをする語  I, he, she, you, it, thisなど
3.
動詞
 主に動作(状態)を表す語  run, walk, speak, eatなど
4.
形容詞
 名詞を修飾、説明する語  soft, old, short, thin など
5.
副詞
 動詞・形容詞・他の副詞・文を修飾する語  carefully, beautifully など
6.
前置詞
 名詞の前に置かれて他の語との関係を示す語  in, on, at, of, by など
7.
接続詞
 語と語、句と句、文と文を結びつける語  and, but, or, when など
8.
間投詞
 感情、呼びかけに関する語  oh, hello, hi など

 

これらを覚えるだけではあまり役には立ちません。これらについて深く理解する必要があります。解説にあたって、2の代名詞は名詞に含まれるものと考え、2つひとくくりで、『名詞』とします(名詞と言うときには代名詞も含まれる)。また、接続詞と間投詞はここでは省きます。そして、前置詞は後ほど触れることにして、まずは、『名詞』『動詞』『形容詞』『副詞』について考えてみたいと思います。


『名詞』『動詞』『形容詞』『副詞』のそれぞれの性質・働きを理解することは、英文法を学ぶうえでとても大切です。これらの4つを4大品詞と呼ぶことにして、あらためてその働きを表で示します。

4大品詞
名詞  人・物・事などの名前を表す語  文の中で主語・目的語・補語となる
動詞  人・物などの動作を表す語  文の中で述語動詞となる
形容詞  名詞を叙述(説明)し、様子や状態をあらわす語  名詞を修飾したり、文の中で補語となる
副詞  動詞・形容詞・他の副詞・文を修飾する語  他の品詞の修飾(文の要素にはならない)

 

まず、それぞれの関係を簡略化してとらえます。


1.形容詞は名詞を説明し、副詞は動詞を説明する。

形容詞は名詞を説明 → 美しいバラ / バラは美しい

上の例では、形容詞『美しい』は名詞『バラ』を説明(叙述)しています。このように、形容詞は名詞を説明する語であると理解します。形容詞が名詞を説明する方法は2つあり、『美しいバラ』のように名詞に直接かかるか(限定用法)、『バラは美しい。』のように文となり、名詞を叙述するか(叙述用法)です。英文にすると、beautiful roses / Roses are beautiful. となります。形容詞は、『どんな』にあたる語と考えるとよいと思います。

どんな』バラ? → 『美しい』バラ
バラは−『どんな』だ → バラは『美しい』

副詞は動詞を説明 → ゆっくり歩く 

上の例で、副詞『ゆっくり』は動詞『歩く』を説明しています。このように、副詞は動詞を説明する語であるとまず理解します。例を英文にすると、walkslowlyです。副詞は『どんなふうに(どのように)』にあたる語と考えるとよいと思います。

どんなふうに』歩く? → 『ゆっくり』歩く

2.副詞は形容詞や他の副詞も説明(修飾)する

・副詞は形容詞も修飾 → とても美しい(バラ)
・副詞は他の副詞も修飾 → すこしゆっくり(歩く)

副詞は動詞だけでなく、形容詞や他の副詞も修飾します。上の例で、副詞『とても』は形容詞『美しい』を修飾しています。また、副詞『すこし』は副詞『ゆっくり』を修飾しています。これらの副詞はともに程度をあらわす副詞です。つまり、『どれくらい』にあたる語です。

どれくらい』美しい? → 『とても』美しい
どれくらい』ゆっくり? → 『すこし』ゆっくり

英文にすると、very beautiful / a little slowly となります。


3.『どんなふうに』『どれくらい』のほかに、『場所』『時』も副詞にあたる

これは英語特有なのですが、『場所』や『時』をあらわす語も副詞に含まれます。『ここで』『そこで』のhere, there、『昨日』『今日』のyesterday, todayなどがそうです*名詞として用いることもあります。単語1語に限らず、前置詞を含んだ句(前置詞句)も副詞の働きをする場合があります。例えば、『東京へ』 ”to Tokyo”, 『部屋の中で』 “in the room”、『5時に』 “at five”, 『午前中に』 “in the morning”などがそうです。前置詞句は形容詞の働きをすることもありますので、これらが必ず副詞句かといえばそうではありません。くわしくは前置詞の解説を御覧ください。

以上が4大品詞の解説です。それぞれどんな性質でどんな働きをするか、イメージして頂けたでしょうか…?最初はとまどうかもしれませんが、じっくり理解していってください。


4.前置詞句は形容詞と副詞の働き

さて、つぎに前置詞です。前置詞は名詞の前に置かれる語(ゆえに”前置詞”)で、他の語との関係を示します。前置詞は、in, at,on, by, of, to, aboutなどですが、前置詞の後に来る名詞を含めた前置詞句を形成します。例えば、in the kitchen(台所の中)、at the station(駅で)、by the window(窓の側で)など、前置詞の後の名詞を含めた意味のひとかたまりを作り、文の中で、形容詞として働いたり、副詞として働いたりします。形容詞として働くというのは前置詞句が名詞を修飾する場合で、副詞として働くというのは前置詞句が動詞を修飾する場合です。

(例)
the man in the kitchen      (台所にいる男)
The man is in the kitchen. (男が台所にいます。)

同じin the kitchenというフレーズも、the man という名詞を修飾する場合は形容詞句であり、isというbe動詞を修飾する場合は副詞句となります。



《4大品詞と文の要素》

文の要素とは、文型を構成する主語・述語動詞・補語・目的語の4つの主要素と修飾語(句)のことです。文型を思い出してみましょう。

第1文型 S V     Sは Vする
Birds fly.    
第2文型 S V C   Sは Cである
Mike is a teacher.  
第3文型 S V O   Sは Oを Vする
Mike bought a camera.  
第4文型 S V O1 O2 Sは O1に O2をVする
He gave me a present.
第5文型 S V O C Sは Oを CとVする
She named her son Jiro.

S = subject(主語)/V = verb(動詞)/C = complement(補語)/O = object(目的語)


Sが主語、Vが述語動詞、Cが補語、Oが目的語を表しています。では、それぞれの場所にどんな品詞が入るのでしょうか。表で示します。

第1文型 S V      Sは Vする
名詞 動詞    
第2文型 S V C    Sは Cである
名詞 動詞 名詞・形容詞  
第3文型 S V O    Sは Oを Vする
名詞 動詞 名詞  
第4文型 S V O1 O2  Sは O1に O2を Vする
名詞 動詞 名詞 名詞
第5文型 S V O C  Sは Oを Cと Vする
名詞 動詞 名詞 名詞・形容詞


これを見て気づくのは、S(主語)とO(目的語)は必ず名詞だということ、C(補語)は名詞か形容詞だということ、V(動詞)は必ず動詞、そして、副詞はここに登場していないということです。


『どのように』『どこで』『いつ』をあらわす副詞(句)は、基本的に、これらの文型の後に続きます(文頭・文中の場合もありますが、基本型を理解しましょう)。

『どのように』をmanner、『どこで』をplace、『いつ』をtimeと言い、それぞれの頭文字をとって、M, P, Tと表すことができます。このMPTという要素は5文型の後に続けられます。
SV+MPT,SVC+MPT,SVO+MPT,SVOO+MPT,SVOC+MPTというように…。

(例)
Old men walk slowly.
Mike bought a camera at that shop.
Mike bought a camera yesterday.
Mike bought a camera at that shop yesterday.

以上、品詞の役割、理解して頂けたでしょうか。
ここでは簡略化して解説していますので、詳しくは文法書などをご参照ください。

英語学習ランキング

PAGETOP