ELM英語学習教材研究所 −英語語順トレーニング−

なぜ英語が聞けない?


英語の音を知らない

私たち日本人は、英語の音(発音)をきちんと学ぶ機会を経ずに、英語学習をスタートさせてしまっている...。それが「英語が聞けない」原因のひとつだと考えられます。

英語には、母音や子音がいったいいくつあるか答えられるでしょうか?(母音は分類の仕方にもよりますが...)ほとんどの人はきっと答えられないと思います。なぜなら、学校ではそのことをちゃんと教えてはくれないからです。また、英会話スクールなどでも、特別なコースを選択しない限りは、それは当然知っているものとしてレッスンが進みます。 「音」がいったいいくつあるのかを知らないということは、その「音」の出し方など知っているはずがありません。この基本を学ぶ機会を一切持たないところからスタートして、高校や大学で登場する小難しい単語まで相手にしなくてはならなかったのです。

外国人が日本語を学ぶとき、「あいうえお」などの50音を学ばずに、いきなり、難しい単語を覚え始めたとしたら、我々はどう思うでしょうか...。なんて無謀で無意味なことをしてるのだろうと思うはずです。日本語の50音を知らずに日本語を学ぶ!?あり得ません。我々は英語ではそれをやってのけているのです(ある意味、曲芸です)。

ゆえに、我々の英語は、「カタカナ」英語となってしまいます。母音は日本語の「あいうえお」に限りなく近く、子音も日本語そのまま、気分だけは「カタカナ」で“英語っぽく”といった感じです。

英語を聞けるわけがありません。英語を聞いているそのからだは、「日本語の音」を待っているのですから...。

英語力をつけていくうえで、英語の「音(発音)」をじっくり時間をかけて学ぶことは非常に大切です。時間をかけるというのは、英語の母音や子音にはどんな音があり、それをどうやって(どんな口の形、息の出し方で)出すのかということ。時間はかかりますが、ここはしっかりやっておくことをおススメします。

これに時間をかけてしまってはもったいないと、ついあせってしまいがちです。なんだか幼稚園にまた通うような気持ちに陥って、そんな初歩的なことをやっている暇はないと...。でも、英語に関しては、どうやら私たち日本人は、幼稚園や小学校を飛び越えて、いきなり中学生になってしまったようなのです。ここに無理があるのです。

最近の英語教材マーケットでは、発音を学ぶことの大切さを謳ったものが増えています。いわく、ズバリ!!「発音できないものは聞き取れない!」

発音は、独学でもいいので(最近はいいテキストが出ていますので)、ぜひじっくりと練習する機会をもつことをおススメします。その際、文字との関係まで示してある教材がいいです。英語のスペリングの複雑さから、英語の文字と発音には関連性はないと思っている人もいるかもしれません。ですが、英語の文字と発音には基本的なルールがあります。

文字と発音を関連付けて学ぶ「フォニックス」が、最近では、広く一般書でも登場するようになりました。発音と同時に、そのつづり方まで解説してあるものがベターです。


アクセント、イントネーション、リエゾン!?

ひとつひとつの音を、正確に同じ程度の大きさで出す日本語とは異なり、英語には、アクセント、リエゾン、イントネーションなる、英語独特のリズムを作り出す要素があります。これがまた日本人にとっては厄介です。

まず、英語の単語にはアクセントがあります。母音1つで1つの音節を作り、1音節の単語であれば、その母音にアクセントがあります。母音が2つ含まれる単語になると、どちらかの母音を強く発音し(アクセント)、もう一方は弱く発音する...。3つ以上になると、第1アクセント、第2アクセントなるものまで登場します。

リエゾンとは、単語と単語のつながりで、先の単語のお尻(子音)と後の単語の頭の音(母音)がくっついて、連結した音になる現象。これが単語の聞き分けを難しくしています。

イントネーションは、発声の抑揚で、普通、肯定文や命令文では下降し、疑問文では上がります。

これらの要素が、我々日本人が英語を聞くうえで、大きな壁となって立ちはだかっています。

解決法としては、いろんな人の英語をたくさん聞いて、その法則や現象を実体験するしか方法がないと思います。その法則をまとめたものもありますので、この部分が障害となっていると感じている方は、探してみるといいと思います。


帰り読みの弊害

リーディング先行の受験英語の影響下、英語を日本語的に理解するためにある必殺技が編み出されました。その名も必殺「帰り読み」です。

受験英語では、実際に英語が聞けたり、話せたりするかはまず問題とされてきませんでした。文法問題、また、それに連なるリーディング力が問われ、読めて、その文章の内容が理解できる力があればよかったわけです。

英語を日本語的な感覚で読むには、両者は語順があまりに違います。リーディング力だけを問われたとき、英語を頭から読んでいくことができない生徒に対して、学校の先生が教え込むのが「帰り読み」です。「後ろから訳していくと分かりやすいよ」と...。

これはもう、英語そのものの学習ではなく、英語の日本語的解釈の学習です。日本語で訳しやすいように、後ろから先に訳して、最後に動詞に帰ってきます(関係代名詞なんかもそうしたと思います)。

これを長く続けると、リスニングの際に自然とこの方法が働いてしまいます。英語を頭から聞こえた順に理解するのでなく、文章の最後まで待ってから理解しようとしてしまうのです。なぜなら、「帰り読み」に慣れてしまったそのからだは、文章の最後からでないと理解できなくなっているからです。

私自身、リスニングを始めた頃、この癖が障害となりました。「帰り読み」に慣れてしまっている人はきっとリスニングに苦労しているはずです。文の意味が分からなくなったとしても、「帰り読み」は今すぐやめてしまいましょう。そして、英語の語順どおりに読んでいく訓練をしましょう。そうすれば、それがリスニングに非常に役立ちます。 そもそも、言葉を先頭からでなく最後から理解するなんて変です。


ネイティブ並みの発音

発音をじっくり学んだ方がいいと書きましたが、それは、発音をうまくなろうという意味ではありません。発音の仕方を知っている、出せるというのと、発音がうまいというのは別の話です。

私は、必ずしも発音がうまくなる必要はないと思います。大事なのは、それぞれの音をちゃんと区別が出来て、それが相手にも伝わるように発音できるかどうかだと思います。英語をコミュニケーションの道具ととらえると、意思の伝達が正確にできればそれで十分だということです。

ネイティブのような発音ができたらカッコイイとは思いますが、基本的な会話もおぼつかないのに、発音ばかり気にするのには首をかしげます。私たち(日本人)は、発音の良し悪しに敏感すぎる気がします。

世界では、さまざまな人々が英語を話しています。特にビジネスの世界では英語がコミュニケーションの道具となりますが、お国によってその訛りもいろいろです。ちゃんと通じさえすれば、日本訛りでいいのではないでしょうか...。




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